女性編集者がレディースウオッチの新作を実際に見て、感想を交えて紹介する本企画。今回はBREITLING(ブライトリング)から、2020年4月に発表されたばかりのナビタイマー初のレディースモデル“ナビタイマー オートマチック 35”を紹介します。
【モデル紹介】
ブライトリングが誇る人気モデル“ナビタイマー”は、回転計算尺を搭載した初の腕時計“クロノマット”を原型に、航空用回転計算尺の機能を加えて、1952年に誕生。上昇下降時間の計算や燃料消費量の計算、マイル換算などパイロットにとって重要な機能が備わった時計業界を代表するパイロットウオッチです。
長年にわたり世界の男性を魅了してきたナビタイマー。プロのパイロットがフライトの際に使用していたという歴史的背景も、ロマンを感じられるポイントなのではないでしょうか。そうした背景もあり、これまでナビタイマーはメンズモデルのみが展開されてきました。しかし、そんなナビタイマーに2020年4月、初となるレディースモデルが加わったのです。
計器を思わせる無骨なデザインが魅力のナビタイマー。そんなナビタイマーのレディースモデルというと、レディース用にデザインを一新したのではないかと思われるかもしれませんが、実は参考とされたのは過去にリリースされた二つのメンズモデルでした。
文字盤は1950年代に発表された3針デザインのRef.66。また、ビーズ装飾のベゼルは、初期ナビタイマーのなかで最も美しいモデルとされる、1959年にリリースされたRef.806の意匠を採用しています。
デザインをレディース用に作り変えるのではなく、これまで築いてきた美しいデザインをアレンジしている点から、ナビタイマーの女性ファンに向けたモデルであることがうかがえます。
また12時位置のBロゴや、秒針に施されたレッドカラーなど、これまで多くのナビタイマーに用いられてきたアイコニックなデザインもポイントです。
このように過去のモデルをモチーフに、デザインを進化させた今回のレディースモデルですが、今回ナビタイマー史上初めて採用された素材にも注目です。そのひとつが、文字盤のマザーオブパールです。
光の当たり具合で上品に色合いを変える、このマザーオブパールの文字盤。ビーズ装飾の華やかなベゼルと相まって、全体的にラグジュアリーな雰囲気が増した一方、ナビタイマーの計算尺とも自然とマッチしていて、同ブランドのデザイン技術の高さを感じます。
またマザーオブパール文字盤には、インデックスにダイヤモンドをあしらっている点にも注目。このダイヤモンドインデックスもナビタイマーで初めて採用された意匠です。マザーオブパールの文字盤とダイヤモンドを合わせることで、女性的でエレガントな魅力が加わっています。
ムーヴメントには、これまでナビタイマーのメンズモデルにも採用されてきた自動巻き(Cal.17)を採用。まさにナビタイマーの魅力を楽しめるレディースモデルに仕上げられています。
【装着感は?】
これまでのナビタイマーにも見られる、特徴的な7連ブレスが本モデルにも採用されています。鏡面仕上げの見た目も美しいブレスは、コマの一つひとつの可動域が広く、手首に吸い付くような着け心地でした。
【推しのポイント】
名作のアイコニックなデザインを女性も楽しめる!
数ある名作のなかでも、その男らしい無骨なデザインからメンズモデルのみで展開されてきたナビタイマー。
今回発表されたレディースモデルですが、時計好きの女性を含め、パートナーや好きな著名人の愛用モデルだったなど、きっかけが様々であるものの、実はナビタイマーに心引かれていたという女性も少なくないのではないでしょうか。
しかし男性的なイメージが強いモデルでサイズも大きいため、女性がナビタイマーを着用するのはなかなか高いハードルがありました。そんななか生まれた本作は、アイコニックなデザインを取り入れながら、35mmと女性にも着用しやすいサイズ。まさに女性ファン待望の新作といえます。
かく言う私も、ナビタイマーにレディースが出るとしたらどのようなデザインになるのだろうかと想像を膨らませたことがあったのですが、まさかここまでナビタイマーの意匠を取り入れたデザインになるとは、予想もせず。計器を思わせる回転計算尺のデザインが美しい意匠とマッチしているのにとても驚かされました。
今回の新作は、ナビタイマーの歴史に新たな風を吹き込む1本といえるでしょう。
文◎佐波優紀(編集部)
【問い合わせ先】
ブライトリング・ジャパン
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