1951年の誕生以来、国産時計の伝統を継承するオリエントスター。
まもなく70年に達する歴史をもつブランドが新たに掲げているテーマが“着ける悦び、魅せる喜び、繋ぐ慶びの三つのよろこびを追求した時計作り”だ。
そしてこのテーマを体現する旗機として展開されるのが、メカニカルムーンフェイズである。
メカニカルムーンフェイズ
2017年に発表されたブランド初の機械式ムーンフェイズ機能搭載モデル。1971年(昭和46年)に開発されたロングセラー、46系キャリバーをチューンナップした新ムーヴメントを搭載する。また古典的なディテールを随所に取り入れる一方、ロゴパターンを施した文字盤やセミスケルトン仕様など、オリエントスターらしい意匠を盛り込み、オリジナリティーが発揮されたデザインも人気を集める。
■SSケース、レザーストラップ。ケース径41mm。5気圧防水。自動巻き(Cal.F7X62)。18万7000円
ブランド初の機械式月齢表示など本作の注目点は多いが、なかでも特筆は魅せ方にこだわり、ディテールにいっそう上質な仕上げが与えられた点であろう。
秀逸なディテールワークの好例には、職人の手作業で先端をカーブさせ、長く美しい弧を描く長針。伝統のOSマークをモチーフにしたパターンを施し、適度な立体感を演出した文字盤などが挙げられる。またスケルトン部分も然り。可能な限り肉抜きして抜け感を強調し、エレガントな雰囲気をまとわせている。
ケースの仕上げも入念だ。ちなみに本作では、レザー仕様の場合はポリッシュ、ブレスレット仕様ではサテンと、雰囲気に合わせてラグ部分の仕上げを使い分けている。同価格帯のモデルではまず見られない配慮と言えよう。
他方、ムーヴメントでも魅せてくれる。
ダイヤモンドカットにより輝きを与えたローターやブリッジは、ストライプやペラルージュの表面仕上げを施し高級感をプラス。ブルースチールネジとのコントラストがまた美しい。
機械式を持つ喜びを再認識させてくれる時計、それがオリエントスターだ。
文◎堀内大輔(編集部)/写真◎笠井 修
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オリエントスター公式サイト
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