国内定価以下でも買える!? 定番ドレス系の王道
今回は、近年特にクローズアップされることが少なくなったデイトジャストについて書きたいと思う。
現在、デイトジャストには4サイズある。メンズラインが41mmと36mm。ユニセックスで31mm。そしてレディースが28mmである。1945年誕生のファーストモデルから続く直系となるのは今回取り上げる36mmケースのデイトジャスト36。そして何と現在は第7世代目となる。
2018年にリニューアルを果たし、最新の自動巻きムーヴメント、Cal.3235がまずイエロー系のコンビモデルから搭載された。そして19年にはホワイトゴールドとのコンビタイプとステンレスモデルにも搭載されたため、これですべてのラインナップが最新型となった。
この36mmサイズは、かねてより頑張れば手の届く高級品として年齢を問わず幅広い層に高い支持を集めてきた。そのため恐らく所有率で言えばダントツに高い。ではなぜ多くの支持を集めるに至ったのだろうか。その理由は二つ考えられる。
ひとつ目はやはり安心感である。時間を知るという腕時計本来の機能に特化した、ある意味無駄のない作りは見た目にもシンプルでいて年齢を問わず安心して着けられる。しかも高性能なうえに壊れにくく、それでいて高級ブランドを所有するという優越感も味わえるなどメリットがわかりやすい。
二つ目は豊富なバリエーションだ。一人ひとり生活スタイルが違うように、ファッションもさることながら、腕時計を着用するシーンも人それぞれだ。その点、デイトジャストには、素材、文字盤、ベゼル、ブレスレットと、組み合わせが複数用意され、とにかく選択肢が多い。つまり、自分のライフスタイルに合致した最良の1本を見つけることができるのだ。
現在ロレックスの公式ウェブサイトでは、素材やベゼルなど各パーツを組み合わせて、好みの仕様にして雰囲気を確認できるので、気になる人は一度試してみるといい。
新旧のデイトジャストを実機で比較してみた
右が新型のRef.126200で左が旧型のRef.116200。こうやって並べてみてもその違いはほとんどわからないぐらいだ
今回、デイトジャスト36の新型と旧型の違いについて実機を借りて実際に見比べてみたところ、ブレスレットのレファレンスがRef.72600から72800に変更されているため、ケースなども微妙に改良されているのかもしれないのだが、正直明確な違いは感じられなかった。
ただ、これはあくまで筆者の私見だが新型はラグとベゼルが心なしか細身に感じられ、厚みなど数値的に変わらないが横から見ると形状もシャープになったようにも感じた。ただいずれにせよ公式なものではないので参考までに。
ということで、最大の違いはやはり格段にハイスペック化したムーヴメントの性能に尽きる。それにもかかわらず国内定価を税抜き価格で比べると新型が65万5000円、旧型が63万円と価格差はわずか2万5000円。なんとも良心的である。
さて並行輸入ではどうか。新型の新品実勢価格はというと、ステンレスモデルで60万円台後半からと辛うじて定価を下回るものもある。ただし、ゴールドとのコンビモデルは人気の仕様によっては定価超えの場合も結構あるため注意が必要だ。
一方、旧モデルは初出が2004年。製造期間は約14年と長いためユーズド価格も様々だが中心となるのはステンレスモデルでおよそ45〜55万円といったところ。もし旧型をユーズドでの購入を考えるなら、ムーヴメントにブルー・パラクロム・ヒゲゼンマイが採用された11年以降に製造された個体を目安に探してみてはいかがだろうか。
新型を実際に着けてみました!
36mm径というケースサイズは、40mmオーバーが主流となったいまは、確かにいまでは小さくて物足りなさを感じる人もいるかもしれないが、あらためて着けてみると見た目にもバランスが良く着けていて疲れない
新型を実際に着けてみたが、筆者の手首が細いこともあるだろうが、36mmケースに対するほど良いサイズ感はなかなかいい。近年はどの時計ブランドを見渡してみても40mmオーバーの時計が主流となってしまった。そのため36mmだと確かに小さくて物足りなさを感じる人もいるだろう。
しかし、実際に着けてみると手首の幅とのバランスがよくとてもスマートに感じる。そして何と言っても疲れない。日常における実用性と使い勝手を考えるとやっぱりデイトジャスト36は魅力的な存在なのではなかろうか。
まずは1本。普段使いの時計として選択肢のひとつに加えてみてほしい。
5連ジュビリーに復活したオイスターバックル
ステンレスモデルに対してよりドレッシーな雰囲気を望むなら、今回取り上げた3連のオイスターブレスではなく5連のジュビリーブレスタイプがオススメである。
新型からは5連ジュビリーブレスのバックルの仕様が変わり、旧型まで採用されていたバックル部分が一体化したコンシールドタイプではなく、それより以前の第5世代の頃まで使われていたオイスターバックル(写真)が復活した。つまりオイスターブレスタイプと同じようにセイフティーロック式で安全性がさらに高められるなどだいぶ改善されている。
文◎菊地吉正(編集部)