お手頃な“10万円以下”から“10万円台”“20万円台”そして“30万円台”まで、四つの価格帯で購入できる機械式腕時計を編集部がピックアップ。その一つひとつを編集部が実際に見て、触って、試着した、その感想を本音でレビューする。いま何が買いのモデルなのか。編集部のリアルな意見を、ぜひ購入の際の参考にしてもらいたい。
前回に引き続き、予算10万円台で購入できる機械式腕時計をセレクト!
【予算10万円台②】
ワンランク上の仕上がりや実用性
外装クオリティや素材に注目
》Model 4
MIDO ミドー
オーシャンスター トリビュート
75周年を迎えた“オーシャンスター”コレクションのトリビュートモデルとして、1960年代のダイバーズウオッチをベースにリデザインされた本作。ボックス型風防やドット付きのオレンジ秒針など、アンティーク好きの琴線に触れるディテールを随所に備える一方で、搭載するのは最新のロングパワーリザーブムーヴメントCal.80。確かな実力と秀逸なデザインを両立させながら、価格は10万円台前半と戦略的なモデルだ。
■Ref.M026.830.11.051.00。SS(40.5mm径)。20気圧防水。自動巻き(Cal.80)。12万1000円(税抜き)
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【風防】風防は硬質なサファイアクリスタル製。当時の雰囲気を再現するため、コストの掛かるボックス型を採用しているあたりにこだわりが垣間見える。
【ブレスレット】コマの一つひとつが小さいため、従来のブレスレットよりも可動域が広め。そのためフィット感が抜群にいいと言うわけだ。
【実際に着けてみました】フェイス部分もだが、11連のブレスレットが特にいい。コマの可動が滑らかでフィット感が抜群なうえ、適度に重さがあり安定するため、着け心地が非常に快適だ。さらにミドーCal.80も搭載しながらも、この価格設定はかなり満足感がある。
【問い合わせ先】
ミドー / スウォッチ グループ ジャパン TEL.03-6254-7190
》ミドー公式サイト
https://www.midowatches.com/jp
》Model 5
Alpina アルピナ
シーストロング ダイバー300
全体的に角ばったフォルムであることに加え、ミドルケースにチタンカラーPVD加工を施し、ソリッドな印象を強調したシーストロング ダイバー300の新作。粒状の質感を与えた文字盤やベゼルともあいまって、非常にマッシブな雰囲気だ。その見た目にふさわしい30気圧防水の高スペックモデルでありながら、10万円台と良心的な価格設定も魅力である。
■Ref.AL-525LGG4TV6。SS(44mm径、チタンカラーPVD加工)。30気圧防水。自動巻き(Cal.AL-525)。換えナイロンベルト付属。15万5000円(税抜き)
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【文字盤】大きくて太いインデックスや針に、サンドカラーを施して経年変化したアンティークモデルかのような雰囲気を演出している。
【ムーヴメント】30気圧防水ながらシースルーバック仕様を実現。そこから見えるのは、独特な形状のブラックローターを備えるCal.AL-525である。
【実際に着けてみました】見るからに重そうな時計だが、革ベルト仕様であることから、実際は115g程度と標準的。重心が下にあり、かつベルトもしっかりと厚みがあるタイプのため、安定しており装着感は結構快適だ。付属するラバーベルトに付け換えれば、スポーティな雰囲気がぐっと高まるため、気分で楽しみたい。
【問い合わせ先】
フレデリック・コンスタント相談室 TEL.0570-03-1988
》アルピナ公式サイト
https://alpinawatches.com/jp/
》Model 6
epos エポス
スポーティブ 3442
高品質かつ堅実な価格帯でコレクションを展開するエポス。そのなかでも近年は、機能性とデザイン性が高レベルを融合させたスポーティブシリーズに定評がある。新作3442は、重厚なケースにトレンドカラーであるグリーン文字盤を組み合わせたタフな3針モデルだ。また風防にサファイアクリスタルを採用するなど、素材にもこだわった。
■Ref.3442GRM。SS(42㎜径)。100m防水。自動巻き(Cal.ETA2824ベース)。14万2000円(税抜き)
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【文字盤】アップライトインデックスに加え、外周に段差を付けるなどの立体構造となっており、文字盤の作りも意外と手が込んでいる。
【実際に着けてみました】グリーンという目に付きやすいカラーリングに加え、サンレイ仕上げを施して輝きをプラスしているため、存在感はかなりある。見た目どおり、重さは約185gとそれなりにあるが、ブレスレットも重厚な作りのため、安定感があって装着感はなかなかいい。
【問い合わせ先】
ユーロパッション TEL.03-5295-0411
》エポス公式サイト
http://www.europassion.co.jp/epos/
文◎堀内大輔/写真◎笠井 修