ニューヨークの地名にちなんだ腕時計を展開するMAEN(ミーン)
昨今、スイス以外の国から、機械式ムーヴメントを搭載した本格的なモデルをラインナップするブランドが増えているが、今回クローズアップするミーンも、そんなブランドひとつだ。
ミーンは2人のオランダ人がスウェーデン、ストックホルムに立ち上げた独立系ブランド。ブランド名は1609年にオランダのアムステルダムから現在のニューヨークに向けて出航した“ハーヴ・ミーン号”に由来する。
ブロンクスやブルックリン、ブロードウェイ、ハーレム、ウォールストリート、ロングアイランドなど、ニューヨークの地名として世界中で知られているが、これらの地名は、実はすべてオランダ語に由来しており、そんなエピソードになぞらえて、ミーンではニューヨークの地名を冠したコレクションを展開している。
古い帆船がブランド名の由来であるからか、ミーンの時計はアンティーク風のデザインが多いのも特徴。また、地名になぞらえて時計のコンセプトにしているものが少なくない。
例えば、ニューヨーク州を流れるハドソン川にちなんだハドソンはダイバーズウオッチコレクション、クラシックな街並みが広がるブルックリンはクラシックなムーンフェイズウオッチ、ニューヨークの中心地であるマンハッタンはモダンなスタイルのスポーティウオッチといった具合である。
そんななか、特に注目して欲しいモデルが、9月からアメリカの大手クラウドファンディングサイト、キックスターターでローンチを開始予定だという“スカイマスター”コレクションだ。
オランダを代表する航空会社であるKLMは、1946年にアムステルダムとニューヨーク間で大西洋横断のフライトを開始した、ヨーロッパ最初の航空会社。
このフライトには、ダグラス DC-4 スカイマスターという航空機が使用されたが、モデル名はこの航空機の名にちなんだものだ。
その名の由来はさておき、スカイマスターはブランド初のクロノグラフコレクションだ。まるでアンティークそのもののようなレトロなデザインを採用しているほか、そのディテールの作り込みもアンティークのクロノグラフに着想を得たものとなっている。
キックスターターでの売り出し価格は約799ユーロ(日本円で約9万6680円)の予定だという。この価格で手に入るのなら、かなりの掘り出し物といえよう。
写真はダイバーズウオッチコレクションのハドソン オートマティック。42mmモデルのほか、38mmモデルもラインナップ。ムーヴメントにはETAのCal.2824を採用しており、その品質には安心感がある。なにより注目はそのサイズ感。38mmでしっかりとダイバーズウオッチとしてのスペックを持つモデルは市場でもそう多くない
38mmの小振りなサイズでパッケージングされたアンティーク風自動巻きクロノ
スカイマスター オートマティッククロノグラフ
アンティーク風デザインを、これまたアンティーク風の38mmという小振りなサイズにまとめた自動巻きクロノグラフモデル。双方向回転のGMTベゼルを装備している。非常に洗練されたデザインで、その見た目は言われなければアンティークそのものといった感じだ。
■SS(38mm径)。5気圧防水。自動巻き(Cal.ETA 2894-2)。799ユーロ(予価。日本円で約9万6680円)
搭載ムーヴメントはETAの定番、Cal.7750ではなく、もうひとつの主力であるCal.2894-2を採用。コンパクトなサイズで、かつアンティークモデルに多い横三つ目のレイアウトにするために採用したようだ
MAENの[語りドコロ]
風防はボックスドーム型のヘサライトガラス。ベゼルは細めに作られており、繊細な雰囲気に仕上がっている。特に注目したいのはラグの仕上げだ。ラグの内側にカッティングを入れることで視覚的にラグを細く、かつ長く見せている。これが小振りなケースサイズと相いまって、時計のアンティークテイストを強調するポイントとなっている
アンティーク好きの琴線に触れるパンダ&逆パンダ文字盤
シルバー文字盤にブラックインダイアルのパンダ、ブラック文字盤にシルバーインダイアルの逆パンダと、アンティーク好きにはたまらないバリエーションもそろう
●掲載価格は1ユーロ=121円で計算し、算出
文◎佐藤杏輔(編集部)
【問い合わせ】
MAEN 公式サイト
https://www.maenwatches.com