丸いラウンドケースの時計を愛用されている方が多いが、ケースの形はもっと多種多様。今回は見てるだけでも楽しくなる、変形ケースを紹介していく。
お手持ちの腕時計はどんな形をしているだろうか。きっと丸いラウンドケースと答える方が多いと思う。
時計に関わる仕事を始めた私も、手持ちの時計5本のうち、4本がラウンドケース。残り1本はスクエアケース……。
そろそろ変わったデザインの時計が欲しいと思っていたところ、いくつか面白い形のケースを見つけた。今回は1960年代頃のスペースエイジな時計と、エレガントなドレスウオッチの2部門に分けて、紹介していこうと思う。
【変形デザインの王道時計】
変形ケースデザインの中でも有名なモデルをピックアップした。下記の2本は、第2次世界大戦終戦後の1950~60年代頃のデザイン。アメリカとソ連の宇宙開発競争が本格化していくなかで“スペースエイジ”と呼ばれる近未来的なデザインとしても知られている。
おすすめモデル01
HAMILTON
ハミルトン
ベンチュラ
歴史を感じるアシンメトリーな王道モデル
モーターを動力として動く世界初の電動腕時計として登場したベンチュラ。アシンメトリーなケースや、まず目がいくのはユニークなラグだろう。見た目のデザインと機能性が受け、1960年代の発売当初からロック歌手やハリウッド俳優などを魅了してきた。中でもエルヴィス・プレスリー氏は公私ともにフレックス(蛇腹)ベルトに付け替えて愛用していたとのこと。デザインはもちろん、“時計の隠れた歴史”を秘めた時計に惹かれる人も、きっと多いはず。
機械式モデルもあるので併せて紹介する
おすすめモデル02
Zodiac
ゾディアック
オリンポス
通称“マンタ”と呼ばれる復刻モデル
ケース上部と下部で正反対の曲線を組み合わせた“マンタ”の通称で知られるオリンポスは、変形ケースを象徴するモデルの1つ。サイズアップしたケースや、立体感が増した外装により、現代的なアレンジが加えられている。
光に反射して輝くケースや、文字盤を4分割するように施されたサンレイ加工は、マンタが大海原でヒレを広げて泳ぐ姿を思わず想像してしまいそう。
【ジュエリーウオッチ部門】
名門ジュエラーの個性派モデルを紹介
おすすめモデル03
Van Cleef & Arpels
ヴァン クリーフ&アーペル
スウィート アルハンブラ ウオッチ イエローゴールド
四つ葉のケースが可愛らしい、モナコ公室御用達ブランド
フランスに本店がある宝石、時計、香水を扱うハイジュエリーブランド。1956年モナコ皇太子妃グレースが結婚式で使用するジュエリーを同ブランドで選んだことをきっかけにモナコ公室御用達の称号を得た。
四つ葉のケースの可愛らしいはもちろん、イエローゴールドとロイヤルブルーの組み合わせで、王室の華やかな雰囲気をより感じられる。
おすすめモデル04
JAQUET DROZ
ジャケ・ドロー
レディ 8 プティ
“8”のケースデザインに注目
アラビア数字の8のようなケースデザインが特徴の“レディ 8 プティ”。日本語で孔雀石とも言われるマラカイトのモデルをピックアップした。シンプルなインデックスの文字盤により、美しい波線模様の素材の輝きが増している。孔雀石は心身の癒しに効果を発揮するというので、パワーストーンに興味がある方にもおすすめ。
時計ではなかなか着けにくいイメージがあるグリーンだが、孔雀石の素材感により上品に着用できそう。
皆さんもこれを機に、変形ケースデビューを飾ってみてはいかがだろうか。
文◎佐波優紀(編集部)