![ミュンスター エアブシュトゥック](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/CO04-01.jpg)
Laco ラコ
ミュンスター エアブシュトゥック
1940年にドイツ軍の空軍服務規程で制定されたタイプAと呼ばれるナビゲーションウオッチを忠実に復刻したモデル。ドット付きの△マーク、目盛りの内側の12時間表示など意匠を踏襲したのはもちろん、ケース、文字盤に経年変化を思わせる加工を施しているのが特徴。アンティークウオッチと見間違う味わいを実現している。
■Ref.861931。SS(ダメージ加工、42mm径)。自動巻き(Cal.Laco24、ETA2824.2ベース)。30万7800円/問い合わせ:リンクアップ
軍用時計を基にした
無骨で味わい深いデザイン
欧州の景気後退の影響もあり、近年は堅実な作り、デザインの時計が好まれる傾向が顕著となっている。その傾向を象徴するのが過去のアーカイブスに範を得た復刻モデルのトレンドだろう。ここ数年は毎年のようにスイスの有名ブランドがヒストリカルモデルの復刻を手掛けており、その流れがドイツの時計ブランドにも影響を与えているのだ。
ただし、各社ごとにアイコンとなる歴史的モデルを復刻する傾向が強いスイス勢に対して、ドイツの時計ブランドは少々異なるアプローチを見せているのが面白い。端的にいうと、復刻時計の多くが第2次世界大戦期の軍用時計をモチーフにしているのだ。なぜ復刻モデルの多くが軍用時計なのか。その理由はドイツの時計の歴史にある。
ドイツ時計はその歴史のなかで軍用時計を中心に時計製造の技術、デザインを進化させてきた。特に、ナチス政権下の第2次大戦には主戦力であった空軍の作戦遂行のためにドイツ国防省が空軍服務規程を発行し、規定に沿ったナビゲーションウオッチの開発と製造を推進。大戦で壊滅的な打撃を受けたドイツ時計が1950年代に復活する土台となったのも、東西冷戦下での軍用時計製造であった。近代のドイツ時計の歴史は、軍用時計開発の歴史と常に連動しているのだ。(ドイツ軍用時計についての詳細は“HISTORY”参照)
その無骨で堅牢な作り、見やすいデザインは、まさにドイツ時計を象徴する質実剛健さを体現している。ドイツ時計の歴史に想いをはせつつ、ヴィンテージデザインの時計を愛用してみるのも面白い。(文◎船平卓馬)
![ミュンスター エアブシュトゥックの裏ブタ](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/CO04-02.jpg)
![ミュンスター エアブシュトゥックのケーサイド](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/CO04-03.jpg)
ドイツ軍用時計のDNAを受け継ぐ現行モデル
![マイスター パイロット](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/CO04-05.jpg)
ユンハンス
マイスター パイロット
1950年代に製作された軍用時計を復刻。■Ref.027 3591 00。SS(43.3mm径)。100m防水。自動巻き(Cal.J880.4)。31万3200円/問い合わせ:ユーロパッション
![パイオニア タキテレ](https://germanwatch.jp/wp/wp-content/uploads/2018/06/CO04-04.jpg)
ハンハルト
パイオニア タキテレ
1939年発表の傑作“タキテレ”の復刻版。■Ref.712.210-001。SS(40㎜径)。10気圧防水。自動巻き(Cal.HAN3703)。34万5600円/問い合わせ:リンクアップ