阿藤さん愛用のカシオ・ウェーブセプターは、太陽の光をエネルギーに換えて動く「タフソーラー」を備えた電波時計。時刻電波を受信し、1秒の狂いもない正確な時刻に修正してくれる
身長183センチ、体重82キロの大きな身体から発せられる豪快な笑い声。取材をすべく指定された喫茶店に入ると、すぐにその存在に気付かされた。俳優・阿藤快。真っ直ぐな人柄と言動が人気を呼び、現在では旅番組のレポーターとしてもお茶の間に知られている。
「昔、旅番組のロケで鎌倉の材木座に行ったとき、アンティーク時計の修復をされている方の家に行ったことがあるんですよ。住宅街の普通の家の2階にアトリエがあるんですけど、とにかくスゴイんですよ。日本中の貴重な腕時計が所狭しと並んでて、知る人ぞ知る人なんだって。もし部品がなければ、そのおじさんが自分で作っちゃうそうだから。ああ、日本にもスイスの職人のような人がいるんだなぁって感動したね」
オレらが子供の頃って、機械の時計なんていらなかったの。
遊んでいて時間がわからなくなったら、日時計を作ればコト済んだから。
旅先での出会いから、腕時計の魅力に気付かされた阿藤さん。しかし、ご本人はそれほど高級時計を買い集めるタイプではないという。
「オレらが子供の頃って、機械の時計なんていらなかったの。遊んでいて時間がわからなくなったら、日時計を作ればコト済んだから。自分たちで棒立てて『あ、今3時頃だな』とか。子供だから、自分たちの遊ぶような場所で方角なんて間違えないでしょ。その習性が今も残っているんじゃないかなぁ。日時計は作らないけど、時間はだいたいわかるもの」
いつかハリウッドの映画に1本出たいな、っていう夢があるんですよ---
ハリウッドは松田優作やオレらがやってた頃と、映画への情熱が同じ。
そんな阿藤さんが昨年手に入れた腕時計が、写真のカシオ・ウェーブセプター。
「仕事でロスに行くことが、まぁ多くはないんだけどたまにあって。そういうとき、メンドくさいじゃない、時間を合わせるのが。その点、この腕時計なら電波だから、パーンって向こうの時間に合わせられる。そこが気に入って買ったんだよね」
ロサンゼルスを意識しての腕時計購入。そこにはもう1つ、阿藤さんのなかで大きな理由があった。
「いつかハリウッドの映画に1本出たいな、っていう夢があるんですよ。以前、日本のテレビの仕事で向こうのスタジオに入れてもらう機会があってね。5年ぐらい前かな。そしたら、同じだったのよ。松田優作やオレらがやってた頃と。熱さっていうのか、映画に対する一生懸命さっていうのがさ。それでいながら、明るくて楽しそうだし。やっぱり映画が好きだからね。そのときからだね。もしダメならそれでもいいけど、夢としては持っていたいなと思ったのは」
阿藤さんにとって、腕時計は夢をつなぐ道標のようだ。
KAI ATOU 1946年11月14日生まれ。神奈川県出身。東京都立大学法学部卒業。日本を代表する個性派俳優として映画、ドラマなどで活躍する一方、『ぶらり途中下車の旅』をはじめとする旅番組でも活躍。01年の誕生日に阿藤海から阿藤快へ改名。7月23日(土)から公開中の映画『クロマティ高校 THE MOVIE』にも出演。