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佐々木 健介(Vol.89)2018-05-29
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パワーウオッチ|男の肖像|佐々木健介
パワーウオッチ|男の肖像|佐々木健介
ハワイで夫人の北斗晶さんから贈られたシャネル J12クロノグラフ。白モデルが人気だが、健介さんの太い腕には黒のほうがよく似合う。漆黒のなかで鈍く光るセラミック独特の艶が気に入っているようだ
  腕っ節の良い健介さんの腕に輝くのは北斗晶さんからプレゼントされたシャネル J12だ。 「これは45歳の誕生日に買ってもらったんです。家族でハワイに旅行に行ってシャネルに入ったんですよ。自分は荷物持ちですけど(笑)。そこにちょうどこの時計があって、『いいなあ』って眺めてたら、『欲しいなら誕生日だし買ってやるよ』ってプレゼントしてくれたんです。まさか買ってもらえるとは思ってなかったからラッキーでしたね。ほかにも時計は持ってますが、これを手に入れてからはずっとこればかりです。渋い黒の色合いがなんとなく気に入ってます」

 プロレスラーといえば金無垢ロレックスが定番で、健介さんも愛用していたことはあるが、どっちかというと派手な金よりも落ち着いた色味のほうが好みだという。 「自分が若いころも先輩たちはすごい時計をしてましたけど、こっちは田舎から出てきたばかりの子供ですからね。それがロレックスだって知識もなかったし、とにかく高そうだなって圧倒されてるだけでした。それよりも練習と雑用が大変で時計どころじゃなかった。とにかく時間に厳しい世界ですが、先輩を朝起こすのに遅れちゃって怒られたこともありました。目覚まし時計の電池が外れてたんですよ。ケータイもない時代でしたしね」
 入門当時は同じ世代の新弟子もいなかったので、大量の雑用はすべてひとりでこなしていた。
「試合が終わってから、先輩たちの服やコスチュームを洗濯するのが日課でした。いまならどこに行ってもコインランドリーくらいありますけど、当時は地方に行くと洗濯もひと苦労だったんですよ。洗い終わった洗濯物は次の日に使うものだから、旅館のボイラー室で洗濯紐に干したりしてました。乾燥させて畳み終わるのがだいたい深夜3時くらい。それから初めて食事するんですけど、当時はコンビニもないし、その時間だと食べるものがないんです。昼間のうちに買っておいた食パンとさんまの蒲焼き缶を一緒に食べたり、もう本当に悲惨な生活でした(笑)。次の日はまた朝6時くらいに起きて練習して試合してっていう毎日だから、いつも寝不足でふらふらしてましたね」

 いちばん時計が必要なのは雑用の多い新弟子なのだが、その当時はまだお金もなくて、とても時計など買えなかった。だから後輩に時計をプレゼントしたこともある。
「プロレスラーだったらきつい練習に耐えるのは当たり前のことですけど、時計がなくて困るっていうのは別にしなくていい苦労だと思うんですよ(笑)。自分は若いころ時間で本当に苦労したから、後輩にはそんな思いはしてほしくないんですよね」

KENSUKE SASAKI
佐々木 健介(タレント・元プロレスラー)
1966年8月4日、福岡県生まれ。85年にジャパンプロレスに入門し、その後新日本プロレスに移籍。97年にIWGPヘビー級王座を奪取してトップ選手としての地位を確立する。WJプロレスを経て2004年には自身の“健介オフィス”を設立し、NOAHなど他団体にも積極的に参戦。05年の小橋建太戦はプロレス大賞のベストバウトに選出される名勝負となった。14年に現役引退。近年はタレントとして活躍している。
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