POWER Watch|パワーウオッチ 
CONTENT'S SELECT
ご覧になりたい記事分類のカラーチップをクリックしてください。
記事フリーワード検索: 
全 536 件:    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 
件表示
第24回 歴史に残る各メーカーの傑作2002-09-28
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

名実ともに一生ものの傑作
 この連載も今回をもって終了する。タイトルには辛口とあるが、150年間続いた時計店の三代目として、機械式時計が全盛期の時代を目の当たりにし、冷静に評論してきた。現行品は、時計で一番重要なムーヴメントが共通化され、ブランド名で価格が決定する。マスコミも中身に触れることなく、過去の栄光の歴史を述べ、有名なメーカーの時計だとほめる。甘口にならざるを得ないのだ。現在はトゥールビヨンなど、機械の価値と比べると信じられないほど高額な時計や、長短針を片すみに配置した変わった時計や、足に着けたほうがよいと思われる巨大な時計が氾濫している。金額が高いから1960年代のアンティーク時計のように一生使用できるかと思うかもしれないが、まったくそうではない。

 今回は一生涯の使用に耐えるムーヴメントを使用し、流行に左右されない正統派のデザインで、われわれ庶民でも手の届く各メーカーを代表する時計を取り上げて最終回の締めくくりとしたい。手巻きではメーカーの特長が際立たないので、自動巻きのカレンダー付きとした。

 初めはモバード・キャリバーC225(1950年代製造)。最も多くの機種を製造したモバード社の自動巻きのピークは、60年代の全回転式ではなく、この半回転一方向巻上げ式自動巻きである。ローターはショックをやわらげるために逆S字になっている。材質がよくなければ耐久性でトラブルが出そうな構造であるが、モバードはもちろん、この点をクリアーしている。ローターの回転が1枚の中間車を経由して丸穴車に伝わるので、巻き上げ効率は非常によい。

 ローレックス・キャリバー1560(1960年頃製造)は、テンプの振動数が5振動で、後に振動数を5・5振動に高めたキャリバー1570とともに最も完成度が高い機械である。クォーツ化の波に乗り遅れたローレックスは、やむを得ず1570を作り続けたことにより、他のライバル各社が機械式時計の製造を中止するなか、自社製造の火を消さずにすんだ。このお陰でローレックスは現在の地位を築くことができた。20年以上の長期にわたり製造された名機である。












メーカーの特長が際立つ
 続いてはジャガー・ルクルト・キャリバーK825(1962年製造)。三大時計にムーヴメントを数多く供給していたジャガー・ルクルト社には自社ブランドで三大時計を超える機械を作ってはいけないという足かせがあったが、三大時計が販売していない特殊時計の分野では思う存分、能力を発揮し、世界一のアラーム時計を製造した。半回転式ローターにある、まが玉状の穴は、アラームのピンを避けるために作られている。

 インターナショナル・キャリバー8541(1964年製造)は、パテックの自動巻きと同型のペラトン式の巻き上げ機構で、巻き上げの効率が非常によい(反面ショックに弱いという短所もあるが)。ローターの回転方向が変わったときもロスを生じない。

 オメガ・キャリバー561(1964年製造)。金色のメッキ仕上げがオメガの特長であり、裏蓋を開けた瞬間に技術者はその美しさに目を奪われてしまう。ローターは薄く見せるために複数の面取りが施され、機械とわずかの間隔を接触することなくスムーズに回転している。

 最後はユニバーサル・キャリバー1-67(1969年頃製造)。ローターを小さくして歯車やゼンマイと同一平面に配置することにより、画期的な薄型自動巻きを実現させた。ローターを小さくすると回転力は極端に悪くなり、巻き上げ効率が悪くなる。これを防ぐために自動巻きの車にベアリングを用い、弱いトルクでもゼンマイが巻き上がる。

 以上、現在では製造不可能な一生ものの自動巻き腕時計を紹介した。最後に自由に辛口記事を書くことを許可した勇気あるパワーウオッチのスタッフに感謝したい。
※この記事は本誌第6号(2002年9月28日発売)から第30号(2006年9月28日発売)にわたって掲載された人気連載企画です。
辛口ムーヴメント講座|バックナンバー
全 536 件:    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 
件表示
TIMEGear ONLINE SHOP|タイムギア オンラインショップ
C's-Factory|電子書籍オンラインショップ
メンテナンス110番
せっかく手に入れた高級時計。できれば末永く愛用していきたいと誰もが思うことです。
しかし、腕時計も多くのパーツで構成されている精密機器のため、美しくしかも正確さを維持していくためには、それなりの日頃のケアと定期的なオーバーホールが必要不可欠です。
そこでここでは、自分でできる日常の簡単メンテナンス法とオーバーホールについて紹介します。

パワーウォッチ新刊案内
ビギナー必見!
時計選び成功の法則教えます。

定価:¥850
発売日:奇数月30日(隔月刊)