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第23回 旅先での頼れる味方アラームウオッチ2002-09-28
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旅行中のもうひとつの安心
 久しぶりのシカゴは古い伝統的なビルと、最近建てられたデザイン的に見るべきものがあるビルが調和した魅力的な街になっていた。アンティーク時計の買い付けを終え、大陸横断列車エンパイア・ビルダー号で三度目のロッキー山脈越えを楽しむために訪れた。

 一回目は南のデンバーからソルトレイクシティを経てオークランド。二回目が北のバンフからバンクーバーである。ホテルは旅行会社の手配で、ザ・パーマーハウス・ヒルトンを手配してもらった。市の中心部という条件だけを希望したのだが、思いがけず歴史ある内装の素晴らしいホテルで大満足した。一流ホテルのサービスで大事なことのひとつに、ウェイクアップコールの確実性がある。10年程前オークランドのホテルで、電話のベルが故障で鳴らず飛行機に乗り遅れそうになったことがある。それ以来、自身でアラーム付きの時計を用意するようになった。今回はアラーム付きの特殊な時計を紹介したい。

 ルクルト・キャリバー489(1952年頃製造)。1949年から製造が開始され、アラーム腕時計といえば、真っ先に思い浮かぶ有名なムーヴメントである。輪列受けと一番受けが一体になり、耐震装置の採用等変化しながら中断された時期はあるものの、二年程前まで製造されていた。4時位置にあるリューズが通常の時計駆動用、2時位置のリューズがアラーム用で、元の位置でゼンマイを巻き上げ、一段引き出すとアラームの鳴らしたい時刻が設定できる。合わせ終わったあとにリューズを押し込むと、アラームのセットがオンになる。引き出した状態ではオフになるので誤作動がない最も理想的な構造である。








数少ない傑作ムーヴメント
 ジャガー・ルクルト・キャリバーK825(1960年代製造)は、1959年から製造が開始された半回転一方向巻上げ式自動巻きで、アラームの最高峰を占める傑作ムーヴメント。後に製造された全回転両方向巻上げ式自動巻きで、現在も製造されているキャリバー916よりもレベルは上である。リューズの操作方法は手巻きのキャリバー489と同様である。ジャガー・ルクルトの半回転一方向巻上げ式自動巻きは巻き上げ効率が非常によく、全回転式と比べ薄型化が可能なので、理想的といえる。私の持論である1960年代が自動巻きの最盛期であるという説を証明するムーヴメントである。825の前のKは耐震装置の種類を表している。ほかにはPがある。

 ホライ・キャリバーAS1568(2005年製造)。1940年代からムーヴメント製造専門メーカーのAS社により製造されデッドストックとして残っていたオールドムーヴメントを、ミネルバ社の元社長フレイ氏が新品として限定生産された。過去から多くの時計メーカーに供給され、最も普及したアラーム付き腕時計であった。2時位置のアラームは引き出した位置がオンである。オンにしたつもりが、押されてオフの位置に引っ込んでしまうとアラームは鳴らず、この点でルクルトに劣る構造である。シチズンのアラームは、このムーヴメントを参考に製造された。

 最後はバルカン・キャリバー10(2004年製造)。ベースとなるキャリバー120はジャガー・ルクルトのメモボックスより二年早い1947年から製造が開始された。16年の中断ののち2002年にキャリバーV10として奇跡的に復活した。前述の3つのキャリバーと異なり、ひとつのリューズで時計駆動とアラームの両方のゼンマイを巻き上げる独自の構造となっている。リューズと時計方向に回転させるとアラーム、反対方向に回転させると時計駆動である。スイスのル・ロックルの地で再びマニュファクチュールの道を歩み始めたバルカンは、今後は世界一のアラーム付き腕時計として順調に成長することを願ってやまない。

 特殊なアラーム付きゆえ、数少ない時計メーカーではあるが生き延びてきたのだろう。
※この記事は本誌第6号(2002年9月28日発売)から第30号(2006年9月28日発売)にわたって掲載された人気連載企画です。
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