POWER Watch|パワーウオッチ 
CONTENT'S SELECT
ご覧になりたい記事分類のカラーチップをクリックしてください。
記事フリーワード検索: 
全 531 件:    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 
件表示
第16回 憧れのユニバーサルに出会う2002-09-28
このエントリーをはてなブックマークに追加
LINEで送る

副社長と交渉して輸入
 今年4月25日、アンティーク時計の買い付けでヨーロッパに旅立つため、京浜急行で羽田空港に向かった。横須賀から羽田空港まで3時間弱、合理化された固い椅子に座っていると、これから始まる10時間を超えるエコノミークラスの試練の旅の序章とすら感じさせられ、旅好きな私でさえ気が重くなる。世界一都心から離れた国際線用の成田空港と、3000万人以上の後背人口を抱える国内線用の羽田空港という、ワースト記録を2つかかえた、利用者に不便な状態が改善されないかと思っている。

 たとえば羽田から国際線を出す代わり、成田空港には激減する国際線の対策として国内線を乗り入れれば、千葉、茨城、栃木、群馬、福島の人たちにとって羽田より便利になる。そして国際貨物便はそのまま成田に残す。一石二鳥の案だと思っている。

 とにかく夢にまで見た羽田発の関西空港からエミレーツ航空でドバイ経由ミュンヘン旅行の旅は始まった。この理想的な旅は最初から計画したものではなく、ゴールデンウィークで通常のルートではチケットが取れないための苦肉の策であった。思い起こすと初めてバーゼルフェアに行ったときもチケットが取りにくく、ソウル経由でチューリッヒに行ったことがあった。初めてのバーゼルフェアは非常に有意義であったが、最大の収穫が今回紹介するユニバーサルのキャリバー2-66スケルトンであった。

 すでにその頃はETA全盛でほとんどのメーカーがETA289を使用し物足りなさを感じるなかで、ウィンドウ越しにユニバーサルのスケルトンを発見した。かつて高嶺の花として羨望のまなざしで眺めたマイクロローター付きのホワイトシャドーである。しかも1970年代には見たことのないスケルトンで、マイクロローターの特殊な構造から文字盤の下まで時計のすべてが理解できる、ミュージアムコレクションにふさわしい逸品である。さっそく会場にいた副社長と交渉の末、日本での輸入代理店があいまいであったので直輸入することに成功した。帰国後到着した商品は厳重な木箱に梱包され、開けるのに苦労したことを憶えている。










発売してすぐに完売
 キャリバー2166(1990年頃製造)は、18金ケース製なので昔はゴールデンシャドー(金の陰)と呼ばれ、ステンレス製のホワイトシャドーとは一線を画していた。両方向から眺められるので、小さな(マイクロ)ローターの欠点を補うため、伝え車にベアリングを多用して巻き上げの効率を高くしているのがよくわかる。ローターを機械のなかに上手にはめ込むことにより薄型化が可能になった。正面から一般の時計とは反対にある丸穴車や角穴車も見ることができる。ホワイトシャドーが活躍した1960縲・0年代には見ることができなかったので、残っていたムーヴメントを1990年頃のスケルトンに改造したと思われる。非常に珍しい時計で、すぐに完売してしまった。

 キャリバー218127(1959縲・0年頃製造)。基礎キャリバーの215は1955円のパテントナンバー329805の、従来にはない画期的なマイクロローター自動巻きを申請。1958年に承認、証明書発行を経て製造開始された。丸形ムーヴメントの輪列の配置を工夫して生み出した空間に、自動巻き関連のローターをはじめとする、すべての部分を納めてしまう。自動巻きの発展に障害だった厚みを減らす独創的な構造は、その後ユニバーサルの名声を一気に高めることになった。

 キャリバー1-67(1970年頃製造)の基礎キャリバー66は1965年に製造開始され、カレンダーなどが付き67となった。ちょうど私が店に出た1966年頃、超高級時計は大変な人気で、10万8000円くらいでインターナショナルやローレックスより高価であった。その後何故か8万8000円くらいに値下げされた記憶があるが、友人が購入してくれたときには、家中ですごく高い時計が売れたと大騒ぎになった。そのときからいつかは欲しいなと思い続け、つい最近になって夢が実現したのだ。

 この構造を参考に現在も販売している会社があるが、ユニバーサルはローターがどちらの方向に回転してもゼンマイが巻き上がる方式なのに対し、一方向のときにしか巻き上がらない方式を採用している。50年近くも前に今より優秀な構造が採用されていたとは驚きであるが、現在の貨幣価値に換算すると100万円を軽く超えているのだから、当然なのかもしれない。
※この記事は本誌第6号(2002年9月28日発売)から第30号(2006年9月28日発売)にわたって掲載された人気連載企画です。
辛口ムーヴメント講座|バックナンバー
全 531 件:    1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 
件表示
TIMEGear ONLINE SHOP|タイムギア オンラインショップ
C's-Factory|電子書籍オンラインショップ
メンテナンス110番
せっかく手に入れた高級時計。できれば末永く愛用していきたいと誰もが思うことです。
しかし、腕時計も多くのパーツで構成されている精密機器のため、美しくしかも正確さを維持していくためには、それなりの日頃のケアと定期的なオーバーホールが必要不可欠です。
そこでここでは、自分でできる日常の簡単メンテナンス法とオーバーホールについて紹介します。

パワーウォッチ新刊案内
ビギナー必見!
時計選び成功の法則教えます。

定価:¥850
発売日:奇数月30日(隔月刊)