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第9回 画期的な自動巻きムーヴメント2002-09-28
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両方向自動巻きの登場
 前号に引き続き「ローレックス」の第2回目になるので、前号も参照にしながら解説を続けたい。

 バブルバックの開発により、1930縲・940年代に他の有名時計メーカーが手がけていなかった自動巻き、防水の分野で次第に評価を高めることになった。バブルバックは機械的に非常に優秀であり、その成功により時計メーカーとしては歴史が浅く、無名のローレックスも高級時計メーカーの仲間入りを果たすことができた。

 さらにその価値を高めようと、1950年代初期に開発したのがキャリバー1030である。バブルバックの自動巻きの巻き上げ方式が、自動巻きのローターが右方向に回転したときだけゼンマイを巻き上げるのに対し、1030は左右どちらに回転してもゼンマイを巻き上げる。巻き上げの効率がより向上した。その後、ローレックスの機械の評価を高めることになった従来からの緩急針方式の遅れ進み調整装置から、テンプの外周に付いているマイクロステラスクリューというネジによる調整装置付きに改良された。緩急針を使用していないのは、限られたメーカーのみである。また、24時間針を追加し、ベゼルのメモリを回転させて、海外の都市の時刻がわかるGMTマスターや、日付けと曜日が付いたデイデイトも、このキャリバーをベースとして開発された。まさに現行ローレックスの原点となった歴史の残る時計である。

 バブルバックが、すっぽりと自動巻き部品に覆われていて、部品を外さないと時間の遅れ進みが調整できないのに対し、1030では写真のように直接調整できるようになった。自動巻きのローターの形状も外圧からの衝撃をやわらげるっ工夫がされている。ムーヴメントは通常は見ることができない裏側まで、手間をかけ、非常に美しく磨かれている。文字盤上のROLEXの文字も、印刷ではなく、コストがかかる植字のタイプもあり、ローレックスが名実ともに高級時計の仲間入りをしたいという意欲が随所に見られる。植字はごくわずかの期間作られただけで、高級品のイメージが定着したためか、その後は元の印刷式に戻されてしまう。






コストを抑えて効率向上
 1030が開発された1950年代に入ると、他の高級時計メーカーも自動巻きの価値を認め、競って自動巻きを開発するようになった。私はこれを第1世代と称している。第1世代のよい点を伸ばし、悪い点を改良して自動巻き腕時計の全盛期が築かれたのが1960年頃で、私はこれを自動巻き第2世代と呼んでいる。上はスイス3大時計から、下は日本やドイツの普及品まで、すべての時計メーカーに共通して見られる現象である。

 1961年頃に開発されたキャリバー1570も、この例にもれない。1030の欠点をカバーし、仕上げの面では精度には関係ない部分のコストを抑えてはいるが、改良された部分お多く、完成の域に達している。ローターの軸受けに石を使用したり、自動巻きの切り換え車に特殊な加工をし、強度を高め、滑りをよくするなど、修理する人にとっては心強い改良がなされている。一生モノと呼べる時計が完成したのだ。

 外装面でもローレックスの代名詞のような金とステンレスのコンビネーションの時計も、このときから本格的になった。私は、このコンビネーションのケースを、自動巻き、防水とともにローレックスの3大特徴と評価している。自動巻きと防水に関しては、万人の認めるところであるが、コンビネーションに関しては1930年代から一貫してローレックスの代名詞ともいえる特徴のひとつである。実用時計ナンバーワンのローレックスには金ムクはふさわしくない。しかし、ステンレスでは少し物足りない。両方を満足させるのがコンビネーションなのである。よきにつけ悪しきにつけ、スイス時計をリードしてきたローレックス。興味と話題の尽きない時計である。
※この記事は本誌第6号(2002年9月28日発売)から第30号(2006年9月28日発売)にわたって掲載された人気連載企画です。
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